日誌

福島県緑の少年団未来の森づくり大会

 式典後、子どもたちは、自分たちで組み立てた木槌を持って南相馬市鹿島区北海老釜舟戸地区の海岸にバスで移動しました。そこでは、「ふくしまの森・復興大会(平成26年3月22日実施)」で植樹された黒松の苗木に育樹マットを設置する作業を行いました。
  写真でもお分かりいただけるように、この地区は、東日本大震災で甚大な被害を受け、多くの方々の貴い命が一瞬にして奪われた場所でもあります。地区の殆どは、まだ手つかずのままでしたが、海岸沿いの海岸保全区域(海岸から50m)は、たくさんの重機やトラックが行き交い、多くの人々が堤防を築く作業に従事されていました。全てが一瞬のうちに奪われてしまったこの地に、子どもたちが作業に携わった黒松が大きく育ち、防風林(海岸保全区域から200mの内陸部までの場所に防風林を植えます。)として人々の生活を高潮や津波などの被害から守る日が来ることを心から願いながら、子どもたちと一緒に作業を行いました。
 道中、基礎だけが残った家屋の跡を目にしました。供花が手向けられている光景を見たとき、悔しさと空しさでなんとも言えない気持ちになりましたが、目の前の子どもたちの笑顔と元気な姿に励まされながら南相馬の地を後にしました。帰路、峠の道で和歌山県警の車列とすれちがいました。また、帰還困難区域の飯舘村付近では、たくさんの方が除染作業をしておられました。多くの方々が福島の復興に向けて力を尽くしていただいていることに感謝しつつ、福島の未来を担う子どもたちの健全な育成に向けて、自らも力を尽くしていこうと誓いを新たにした大会となりました。 







震災後の鹿島区北海老地区の被害状況全景と現在の様子