2014年7月の記事一覧
「手のひらの会」のみなさんが来てくださいました
今月も、矢祭町生涯学習・学校支援ボランティア「手のひらの会」のみなさんが読み聞かせに来てくださいました。
1・2年生には、佐藤マキ子様が「かえるをのんだととさん」を読んでくださいました。このお話は、お腹が痛くなったととさんが、お寺の和尚さんに相談すると、「お腹に虫がいるせいだから、蛙を飲むといい」と教えてくれます。教わったとおりに蛙を飲み込むと、お腹の痛いのは治りますが、今度は、お腹の中で蛙が歩くので気持ちが悪くなり、蛇→雉→猟師→鬼を飲み込みます。最後に豆を口の中に投げ込むと、お尻の穴から鬼が飛び出していくというお話です。「次は何を呑み込むのかな?」と想像をめぐらすおもしろいお話しです。
3・4年生は、「しりとりレストラン」「ハナミズキのみち」というお話を寺島米子様に読んでいだたきました。「ハナミズキのみち」は、東日本大震災で命を奪われた少年を想う母親が、2年の歳月をかけて書いた本です。悲しみに暮れる母親のもとに「みんなが二度と悲しまないように避難路にハナミズキを植えて。」と亡くなった少年の祈りの声が届きます。挿絵も素敵で、涙なくしては読めない本です。復興を願う気持ち、家族愛、命のつながりを感じることができる本です。
5・6年生は、「土の話」を佐川瑞枝様に読んでいただきました。この本の著者は、福島第一原発から40キロ、第二原発から30キロ圏内に位置する町に生まれた発酵学者で、故郷の土が放射能で汚された怒りを綴っています。土中の微生物の働きによって生命のサイクルは再生していきますが、微生物をもってしても放射性物質の半減期を早めることはできません。人智では如何ともしがたいことはしてはならぬという戒めの本です。
手のひらの会の方たちは、「子どもたちにどんな本を読んであげようか。」といつも考えながら本を選んでくださっています。本との出会いが人生を決めることもあるのですから、とてもありがたいことですね。次回を楽しみにしています。